歯科コラム

2022年6月15日 水曜日

猫の口内炎について

猫の口臭・よだれの増加・口周辺を気にする症状(顔を振る、顔を掻く)、食欲低下などは、
口腔内疾患の可能性があります。

このような症状がある場合には、まず口の中をチェックしてみましょう。



   
奥歯に歯垢・歯石が付着していて、除去すると歯が溶けてるのが確認できます(吸収病巣)。



  
歯が溶けて露髄しています(吸収病巣)。




喉元(口腔尾側粘膜)にて潰瘍・浮腫が認められます。



このように、歯周病や口内炎、歯が欠けていたり、溶けていたり、できものがあったりすることがあります。
高齢になると認められることが多くなりますが、
若齢においても認められることが時々あります。


猫ちゃんの性格等により様々な治療法があり、
それぞれの治療のメリット・デメリットがあります。

気になる症状があればまずはご相談ください。

投稿者 森どうぶつ病院 | 記事URL

2020年2月18日 火曜日

歯石除去は早めに!

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たまたま同じ日に
同じ8歳齢で
同じ犬種のわんちゃん2匹の
歯石除去を行いました。

歯石の付き具合は、
外観上ほぼ同じでしたが、

結果として

左のワンちゃんは、
すべての歯は残りましたが、

右のワンちゃんは、
8本の歯を抜かざるをえませんでした。

なぜこのような違いがでたのでしょうか?

それは、
歯周ポケットの深さが関係あります。

左のワンちゃんは、5歳より
年に一度歯石除去を行っていたため、
表面的に歯石が多く付いていても
歯周ポケットはほぼ正常でした。

右のワンちゃんは、
8歳になって始めて歯石をとったため、
すでに歯周ポケットがかなり深くなっており、
ぐらついている歯が多数あり、
抜歯せざるを得ない状態でした。

できれば、
5歳までに一度歯石除去を行い、
その後は年に一回程度、
歯石除去を行うことをお勧めします。

歯周ポケットが深くなってからでは、
歯石除去はおそすぎます。


 


 

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2019年11月15日 金曜日

毎日歯を磨いているから大丈夫?

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この写真は、
毎日一日2回歯ブラシで
歯をみがいているわんちゃんの
歯の外側の写真です。

image2

2枚目の写真は
同じワンちゃんの
歯の内側の写真です。

歯ブラシで磨くのが
ベストですが、

下顎の歯
さらには、
歯の裏側までみがくのは
至難の業です。

歯周病の予防には

歯ブラシ、効果のあるガム、
歯石予防の塗り薬等を使用しながら、

半年から一年に一回程度は、
全身麻酔をかけて
超音波スケラーを使用しての
歯石除去が必要です。




 



 

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2019年7月12日 金曜日

乳歯について

一般的に、イヌやネコの乳歯は生後1~2か月で生え始めて、

5~7か月齢で永久歯へと生え変わります。

ヒトは乳歯が取れてから永久歯へと生え変わりますが、
イヌやネコでは永久歯が生えてる最中に乳歯が脱落します。

よって、

永久歯への生え変わりの時期を過ぎても残っている乳歯(特に犬歯で多い)は、

①永久歯の不正咬合

②歯周病の原因


を引き起こす可能性があるため
抜歯の対象となります。


乳歯を抜歯するタイミングは、


① 永久歯の犬歯が生えて3週間を過ぎても乳歯が残っている

② 生後7か月を過ぎても乳歯が残っている

③ 乳歯により永久歯の咬合状態に影響が出る可能性がある


場合などで実施します。

 


 

乳歯の発見時期が遅いと

抜歯をしても永久犬歯の不正咬合を防げないことがあるため、

残存している乳歯は
早めに抜歯することをお勧めします。

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2019年6月10日 月曜日

口腔ケア(歯磨き)について

歯磨きはリラックスさせた状態で定期的(できれば毎日、最低週3回以上)に行うのが理想的ですが、

すぐには許容してくれませんので徐々に慣れさせていきます。


 


 
大型犬では横から、小型犬や猫では向かい合って行います。

まずは、口の周りを触らせたり歯を見せることに慣れさせます。

次に、口の中を触ったり、指を口の中に入れたりすることに慣れさせます。

慣れてきたら、指にガーゼを巻き、歯を軽く擦ります。

大丈夫なら、歯ブラシを試します。


歯磨きの基本は、

・毛先が歯面に垂直

・歯と歯ぐき(歯肉)の境目はやや斜め

・小刻みな前後運動


です。

歯の頬側(外側)が無理なく行えるようなら、口を少し開けて舌側(内側)も行います。


歯磨きは嫌がったら無理しないで、できる範囲で実施します。

歯ブラシでの歯磨きができるまでには何日もかかることが多いですので、焦らず少しずつでも続けることが大切です。

病院でも歯磨きの指導を行っておりますのでお気軽にご相談ください。

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